パシャッ
「「!」」
しんとしずまり返った教室にひびいた、シャッター音。
私たちはバッと離れて、その音が聞こえたほう…扉でさえぎられた廊下を見る。
カラカラ…
「自分でもおどろいたよ。衝撃の瞬間を動じることなく写真に収められるなんて。人間ってふしぎだね」
「そ、奏輝先輩…!?」
「…あんた、だれ」
教室のまえの扉を開けて入って来たのは、スマホを構えた奏輝先輩。
体が固まってうごけずにいると、唯央くんに抱きしめられた。
奏輝先輩は冷めたほほえみを浮かべる。
「ふぅん…あそびじゃないんだ。ってことは、おまえが帆風のパートナーか。おどろいたな」
「だれ、って聞いてんだけど。耳詰まってんの?」
「い、唯央くん…」



