人差し指を立てて、ニッコリ笑う唯央くんを見ると、本当にみんなとのはなしを楽しんでたのが伝わってくる。
それに、私までうれしくなって…でも、複雑な気持ちにもなって、うつむいた。
「たしかに、そうだね。…でも、おなじ場所にいれても、みんなのまえじゃいつもどおりはなせないんだよね。私、それはいやだなぁ…」
「帆風ちゃん…」
「まえの休み時間だってね、女子と楽しそうにはなしてるのを見て、“唯央くんは私のパートナーなんだよ”って言いたかった」
「…」
ギュッと、つないだ手に力がこもって、ほおに唯央くんの手がふれる。
顔を上げると、唯央くんは私を見つめて「俺も」と言った。
「俺のパートナーはこんなにもかわいい女の子…帆風ちゃんなんだよって、みんなに言いたい」
「唯央くん…」
唯央くんも、おなじこと思ってくれてるんだ。



