【短】マッチングしたパートナーは、人気アイドルでした!?

 その顔を見て、ふと気づいた。

 まえの休み時間で感じた違和感…あれは、唯央くんの笑顔が、“アイドルの笑顔”だったから、いつもとちがう気がしたんだ。

 家で見せてくれてるのは、素の笑顔。


 そんなちがいが出てくるくらい…そんなちがいがわかるくらい、私たち、仲良くなったんだね。


 胸がキュウッとして、ゆるみそうになるほおを、まだまだ、と引きしめた。




「唯央くん…でも、私、今日学校に来るなんて聞いてなかったよ?唯央くんはもっとまえから知ってたはずだよね?」


「それは…」




 唯央くんはきょとんとして、ぎゅぎゅ、と私を抱きしめる力を強める。

 答える声は、唯央くんにしてはめずしく、ぼそっとしていた。




「最近、帆風ちゃんが俺によそよそしいから。サプライズすれば、もとどおり話してくれるかなと思って」