唯央くんにつられるように、私も机のあいだに行くと、背中を向けた唯央くんからおどろきの発言が飛び出す。
あんなにひとにかこまれてたのに、気づいてたの…!?
唯央くんはくるりとふり返って、眉根を寄せながら左のほおをふくらませた。
「俺だって帆風ちゃんとはなしたかったのに。カメラがあるからいつもどおりにはできないけど」
「!」
キュン、と胸が高鳴る。
唯央くん、そんなこと思ってたんだ…!
「…まぁ、いいけど。こうやって帆風ちゃん独り占めできるのは、俺だけだから!」
「わっ!」
一歩近づいた唯央くんに抱き寄せられて、ドキンと心臓が跳ねた。
顔を上げると、口角を上げて明るく笑っている唯央くんの顔が近くで見える。



