そうだといいけど、と身を固くする。

 私のせいで大スキャンダルとかいやすぎるもん…!


 せなっちは「そっかぁ」と1人で納得するようにつぶやいた。




「相手がアイドルじゃ、たしかに言えないね…わたしも力を貸すから、がんばって…!」


「せなっち…ありがと~…!」




 ぶわっと涙が出そうになるのをこらえて、ギュッと胸のまえで手を握っているせなっちに抱きつく。

 唯央くんは絶えることなく人にかこまれて、楽しそうにはなしていて…。


 …あ、女子とはなしてる。

 …むぅ…。


 唯央くんは私のパートナーですー!って言いたいけど、そんなことできないし。

 今日1日、唯央くんには近づけないな。


 私はせなっちに抱きついたまま、「はぁ」とため息をこぼした。