「はぁぁぁあ…」


「…最近ちょっと変だね、帆風(ほかぜ)ちゃん」


「うん…ちょっといろいろあって…」




 机につっぷしたまま目をつむる。

 周りからはがやがやと、クラスメイトのはなし声が聞こえてきた。


 唯央(いお)くんとおうちデートした日曜日から数日。

 あれからも毎日顔を合わせているのに、私は唯央くんの顔をまともに見ることができなくて…。

 行ってらっしゃいのちゅーとか、きんちょうしてばっかだし、唯央くんも最近さみしそうな顔をするようになってきたし。


 そろそろ忘れないとダメだよね?

 でもなぁ…。




 キーンコーンカーンコーン


「みんな、席につけー」


「先生ー、今日転校生来るの?」


「2人もってかたよりすぎじゃない?」


「知りたかったら席につきなさい」


「転校生…?」