「わん太郎もよく、飛びついてきたりしたんだ。体おっきいから、いつも押したおされちゃってさ」


「う…そ、その、私は本当に押したおすつもりじゃ…!」


「そうなの?かまってほしいのかと思った」


「う、ううん!ぜんぜんそんな意図はなく!」




 ただ靴下をかくしたかっただけで!




「そっか…それなら、よかった。帆風ちゃんはわん太郎とはちがうから、こういうのはやめてもらおうと思ってたとこなんだ」


「えっ、ご、ごめん、重かった!?」


「んーん?帆風ちゃんだとドキドキするから。…聞こえる?俺の心臓の音」


「えっ」




 私のほうこそドキッとして、言われるまま耳を澄ましてしまう。

 テレビの音が耳につくくらいだまりこむと、体の下からドク、ドク、とはやい鼓動が伝わって来た。