【短】マッチングしたパートナーは、人気アイドルでした!?

「ひゃっ!」


「わっ!」




 音楽が流れていたテレビからとつぜん声がして、バッと唯央くんと離れた。

 見ると、エンドロールが終わっていて、幽霊の人が手をふっている。


 …こんなしかけがあったなんて。




「「…ぷっ」」




 自然と、唯央くんと顔を見合わせて、おたがいに吹き出した。

 私たち、びっくりしすぎ。



 そのあと、気を取り直して3時のおやつ作りを始めた私たちは、スマホが表示するレシピを見ながら、クッキーを焼いた。

 型がいらないからっていう理由で。


 成形した生地をオーブンに入れたあと、ソファーにもどって適当にテレビを見ていると、唯央くんがひじかけのところにあったクッションを取る。

 そのとき、私は見てしまった。

 死角になっていたひじかけの内側に、私の靴下が片方、くしゃくしゃになって転がっているところを。