「…このまま、離したくないな…」
「っ…それでも、いいよ…」
「!」
唯央くんは頭をすり寄せてから、私を抱き寄せる腕を離した。
「やばいって、帆風ちゃん。俺、変な気起こしちゃいそうだから、もう終わりね」
ほおを赤くして、眉を下げるように笑う顔なんて初めて見る。
もともと赤かったけど、私までつられて赤面して、思わずぎゅっと、唯央くんの服をつかんでしまった。
「っ、ダメだって、キスしたくなっちゃう」
「!」
唯央くんはそっと私の手を離して、おでこをこつんと合わせる。
茶色い瞳が熱を持って私を見つめた。
唯央くんとなら、キスだって…。
そう思って、のどがこくんと鳴る。
《ありがとうございましたー!》



