「これ、幽霊が出てくるんだけどさ。目的がおもしろいんだ」


「へぇ~…って、い、唯央くん…っ!」


「ん?」




 口元に笑みを残したまま、パッチリと目を開いて首を(かし)げる唯央くんもかっこいい。


 …じゃなくて!

 しれっと手、つないでるんだけど!

 それも指を絡めた恋人つなぎで!




「あ、あのっ……ううん、なんでもない…」




 や、おうちデートなんだから、手をつないだりもするか…。

 それに、へたにツッコんで手を離すことになってもいやだし…!

 “じゃあ、おあずけ”とか言って笑顔で手を離されたら、私ぜったい、後悔する!




「あははっ、ほんと帆風ちゃんってかわいいね」




 思いっきり笑った唯央くんは、つないだ手をギュッと握って、ソファーの背もたれに背中をあずけた。




「今日は、イチャイチャさせて?」


「うっ…うん…!!」