今日は午前中で仕事が終わったという唯央(いお)くんと、午後からおうちデートをすることになった。

 奏輝(そうき)先輩に告白されてから6日。

 あれから先輩となにかあるわけでも、唯央くんになにかはなしたわけでもなく。


 心のすみっこのほうに、ずっと気まずい気持ちがある。




帆風(ほかぜ)ちゃん、笑える映画は好き?」


「えっ?う、うん!好きだよ!」


「そっか、よかった!オススメの映画があるんだ」




 ニッコリ笑った唯央くんに手を取られて、リビングのソファーまで連れて行かれる。

 家での暮らしにもすっかり慣れた唯央くんは、手を止めることなくブルーレイをセットした。

 それから私のとなりにもどって来てソファーに座り、「テレビつけて」と自分のスマホに言う。


 唯央くんのスマホも、もううちの家電をうごかせるようになっている。