せなっちもこうやって、あっという間にパートナーの正体をあばかれたんだよね…。
私も気をつけないと!
「じゃあ、案外近しい相手だったりして?おなじクラスとか!」
「え~?だれが帆風のパートナーなの?」
「俺じゃないぞ」
「俺でもない!」
口をすべらせないようにだまっていると、クラス内で私のパートナー探しが始まってしまった。
そのうち、他のクラスの男子とか、先生とか、憶測が飛び交っていって。
「先輩だったりしない?ほら、帆風ってあのひとと仲いいじゃん!」
「あぁ、水泳部の?」
「えぇ~、私あの先輩狙ってたのに!」
「えっ、いやいやいや…!」
さすがにあのひとはないって!
と、思わず言いそうになったとき、「帆風、いる?」とやさしそうな声がひびいた。



