〈そうなんだ。じゃあこのあと、帆風ちゃんのおうちにあそびに行ってもいいかな?〉
「うん、いいよ!もちろん大歓迎!」
〈よかった。午後になったらおじゃまするね〉
「うん!」
両親が海外出張に行ってるせいで家がさみしいから、友だちがあそびに来てくれるのは大歓迎。
私は電話を切って、自分の部屋から出た。
唯央くんを待たせているリビングにもどると、唯央くんはリモコンを持ってテレビのまえに立っていた。
「あ、帆風ちゃん!見て見て、このチャンネルでこのあと生やるんだ」
「そ、そうなんだ…」
一般人の口からはぜったいに聞かない言葉。
一通り家のなかを案内して雑談もしたあととは言え、唯央くんが家にいるのってやっぱり違和感がぬぐえない。
「うーん、これからパートナーに見られるって思うとちょっときんちょうするな」



