「そういえば、レオ。私の執事を辞められない目的ってなんだったの?」
「…お嬢様を聖女にさせないことです」
「え?」
壁際に寄って注目を振り切ると、レオは近くの給仕からグラスを受け取って私に渡す。
私を聖女にさせないって…最初から私が聖女になることを分かってたってこと?
「私には、小学生の頃から片想いをしている人がいました」
「!」
「その人には、可愛らしい癖があって…けれど、そのせいで周囲と上手くいかないことも多かったようです」
レオの前世の話を聞くのは、初めて。
それがこんな話なら、聞きたくなかった。
私はグラスを握って、視線を落とす。
「私には、ハッキリと物を言えるところが羨ましくて、眩い光に集まる虫のように、その人に惹かれたんです」



