今日はデビュタントパーティー当日。

おじいさまの提案通り、私のパートナーはレオに決まったんだけど…。




「レオ・ミルワード様、オーレリア・ベル様のご入場です!」




扉が開いて、私達は華やかなパーティー会場に足を踏み入れる。

私をエスコートするレオの肩書は、ミルワード大公令息。

レオはあの後、おじいさまの養子になったんだ。




「まっすぐ前を見て。視線を下げてはいけません。胸を張って、お教えした通り、堂々と」


「わ、分かってるわ」




身分上、私より偉くなっても、レオは私の執事として働いたまま。

私が引き止めたのが原因かと思って、無理に執事を続けなくてもいいって言ったんだけど、「リアのお世話は俺がしたい」の一点張りで。

仕方なく、私は大公令息をこき使う、悪役じみた令嬢になっている。