ネックレスを留める手が離れると、目を開ける。

鏡に映るのは、緩くウェーブしたピンク色の髪と、緑色の瞳。

そして、黄色のふんわりとしたドレス。




「お綺麗です、お嬢様」


「あなたもねっ!」




鏡越しに微笑む顔から目を逸らして、悪癖を出す。

レオだって、いつもの執事服じゃなくて、この前着た白いタキシードのような衣装を着ていて、目のやり場に困る。

後付けされた黄色の差し色が、別々の衣装なのにお揃い感を出しているし。




「ありがとうございます。…では、行きましょうか、オーレリア嬢」


「そ、その呼び方、慣れないんだけどっ!」


「人前だけです。慣れてください」




執事のくせに生意気!


私は口を閉ざして、差し出されたレオの手を取った。

他の使用人達に見送られて、家を出る。