「…分かったわ」




キュッと唇を閉じて、そう答える。

おじいさまは子供を褒めるように、私の頭を撫でた。




「何はともあれ、めでたしめでたし、だな。聖女選出の儀に使う水晶をブレスレットにしてくる執念には恐れ入ったが」


「あ!あれ、そんな代物でしたの!?」


「大公閣下がついていながら、何故このような事態に陥ったのか…いえ、お嬢様のお傍を離れた私が愚かでした」


「はっはっは、この私に対して随分な口を叩くではないか」


「申し訳ございません。所詮この世界の人間は神の操り人形と等しい存在でしたね」


「…お前は時々、神を恐れぬ発言をするな」




レオってば、そんなふうに考えてたんだ。


おじいさまとレオのやりとりを見て、私はふふっと笑う。


なんとかなってよかった。

これでもう、恐れるものはなくなったし…私達の将来は安泰だね!