ハリー司祭はにこりと微笑んで私を見つめた。

その視線に得体のしれないものを感じて、ゾクッと背筋が震える。

思わず顔を背けると、おじいさまが場を収めるように片手を上げた。




「これは、これは。突然のご来訪で驚いた。ようこそ、司祭殿。ご覧の通り、今は客人のお相手をしていてね」


「そのようですね。実に綺麗な庭園で、この身の使命も忘れて散策してしまいました」


「はっはっは、そうであろう?オーレリア嬢もまもなく帰られると言うのでな、邸宅の中にて少々お待ちいただきたい」




おじいさまはテーブルに肘をついて、両手の指を絡める。

顔に浮かぶにこやかな微笑みと反比例して、その瞳は冷ややかに私の後ろを見つめていた。


流石おじいさま、頼りになる…!




「いえいえ、この場で済む用事ですから。実は僕、教会の大切な備品を壊してしまいまして、罰を命じられたのです」