「形を変えて…?」




おじいさまの言うことは、よく分からない。

レオだったらこの言葉の意味も分かるんだろうけど…。


仕方なく、紅茶を一口飲んで、ケーキをフォークで切り分けると、後ろから話し声がした。




「応接間でお待ちください、旦那様は今――!」


「ごきげんよう、ミルワード大公閣下、並びにベル公爵令嬢」




振り返ると、肩の下まで伸びた金髪に、金色の目をした細身の男の人が緑のアーチを抜けてくる。

身にまとっているのは白いロングコートのような、聖職者の衣装。


この人…!




「初めまして。司祭のハリーと申します」