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Side:オーレリア・ベル


色とりどりの花が咲き誇る大公邸の庭園。

緑のアーチを抜けた先で優雅にお茶を楽しむのも、もう何度目のことか。

白髪が混ざった紫髪の渋いイケおじいさまは、私の向かいでティーカップを傾けて「うむ」と微笑んだ。




「聖女は名誉なる立場ではあるが、唯一の跡取りとしては、選ばれるのは望ましくないな」


「えぇ。それに私、おじいさまと会えなくなってしまうなど、嫌ですもの」


「はっはっは、口が上手くなったな、オーレリア嬢」


「まあ。本心ですわ」




うふふ、とお母様に習った微笑みを浮かべる。

子供の頃から私のことを気に入ってくれているおじいさまは、今や孫のように私を可愛がってくれている。

私の先生と言えば、レオとおじいさまの2人。