気付いたら耳元でレオの声がして、バンッと本を閉じる。
「な、な、な、な」と真っ赤になった顔で後ろのレオを見ると、黒い袖に包まれた腕が、私の体を挟んで本棚に伸びた。
レオと本棚の間に閉じ込められて、体の向きも変えられないほど詰め寄られる。
「一途な男は嫌いですか?尽くす男は?そのメイドのように、お世話されるより、お世話する方がお好きなのですか?」
「なっ、何言ってるのっ!?こっ、これはただの物語じゃないっ!」
「フィクションでも、惹かれるところがあったのでしょう?お答えください、お嬢様」
低い声がたっぷりと耳に注ぎ込まれる。
本を抱きしめて、目の前にずらりと並んだ背表紙を右、左、と見ながら、私は震える唇を開いた。
「いっ、一途な人の方が好きっ!完璧にお世話してくれてっ、全部任せられる人がっ…!」



