後ろを意識しながら庭園に出てくると、暖かな日差しと涼しい風に迎えられて、思わず青い空を見上げる。
「んー…!外は気持ちいいわね…」
昼食後は、昼下がりの庭園をのんびりと散歩する。
そんな日課に沿って、今日も見事に花々が咲き誇る庭園に来た私は、ぐっと伸びをした。
「お嬢様、体を大きく動かすのは…」
「っ…しゅ、淑女失格?どうせ身内以外いないんだし、ちょっとくらいいいじゃない」
後ろから聞こえてきた声に、淑女口調で答える。
内心はドッキドキ。
前世も合わせての初恋で、どうしたらいいか全く分からない…!
「お客様がいらっしゃることもありますから。ベル公爵家の敷地内とは言え、気を抜かないでください」
「分かったわよ」