レオと、キス…?




「やっ…!」


「…」




ドキンと心臓が跳ねる。

火が出そうなほど、顔が熱い。

だから私は咄嗟(とっさ)に、レオの胸を押し返した。




「…顔、真っ赤。冗談だって。そんな顔してたら男は本当に勘違いしちゃうから、気をつけてね?リア」




あっさり押し返されたレオは、ふふっといつも通り笑って、手袋をはめ直す。

レオが私から離れていく様子を眺めながら、私はバクバクしている心臓を押さえた。




「今日は社交界について授業しようか」




いつも通りの声のトーン。

レオはすっかり元に戻ったらしい。

でも、私は…。




「っ…」




気付い、ちゃった。

私…レオのこと、好きなんだ…!