ーーーー逃げてやる。
そう思った。

家も…学校も。
きらいだった。だいきらいだった。

だから、あの日、逃げた。
全部終わらせるために。

「今日で バイバイ だから」
小さい声で歌う。

昼下がりの陽射しは、夕陽のオレンジ色に染まっていた藍色の空に押し潰されていく
その最後の光を、目で追いかけて、静かに涙をこぼした

衝動に乗せられるように、電車へと飛び込む
後ろ向きに流れる景色をひとり
座って、見ていた


「ありがとう。さよなら。」
そう書かれた紙には、涙が、ふたつぶ。


“片道分”の切符で、いけるとこまで行こう。
明日を捨てるための逃避行の旅。
明日を、迎えないための旅。
そんな旅に、わたしは、でる。

居場所なんてないわたしを。どこかへ、このまま。
夜に置いってってください--------