爽やか王子様が今日も私を口説いてくる。

………悪い人ではない。それだけは言える、かも。



でも、一つだけ言えるのは。

彼に関わると、面倒ごとが増えるということだ。


「いいご身分だよね〜」

敵意に溢れた声が背中にかかる。

ほら、早速こうなった。

振り返ると見知らぬ女子達…いや、毎日私のクラスにきて、一条日陽の席を取り囲んでいる3人組が立っていた。

あからさまに敵意をむき出しにして睨みつけてくる様子に、無意識にため息をつきそうになった。

「隣の席で満足しないでこんなところでたぶらかしてんの?立場分かってる?」

「男に媚び売ってんのバレバレなんだよ」

「あんたと一条くんじゃ釣り合ってないから」

次々と吐き出される言葉。要約するとどうなるんだろう。
はあ、と今度こそ女子たちにも聞こえるように息を吐いた。ちらり、と見下ろす。
それだけで彼女たちはびくりと震えた。
こんだけでひびってるとか…お子ちゃまだなあ。

「つまり……隣の席羨ましい!今日水族館に一緒にいるのも羨ましい!楽しそうでむかつく!ってこと?無理やり変換しても意味が微妙に伝わらないんだけど」

「っな…」

絶句という言葉を体現したかのような表情。
普段私は本を読んでるからおとなしいと思われがちだ。それは間違い。

ムカつくとそれをオブラートに包まずに言ってしまうという癖がある。

いつもは自制してるけど、先に言ってきたのはあっちだから、こっちも言いたいことを言わせてもらう。