「んんー!美味しかった〜!」
「なー!こんな美味いの初めて食べたわ俺!よく知ってんなーお前」
「まあ子供の時から来てるからね。あ、どう美月ちゃん、満足した?」
「……美味しかった」
素直に言えば、そっかそっか〜とニコニコで言われてちょっとイラッとくる。
でも一条日陽が連れてきてくれたカフェは、本当に美味しかった。
元々行く予定だったパフェ屋さんがなんと臨時休業。
嘆くりりを見かねて、この男がここへ連れてきてくれた。
落ち着いた店内は沖縄、というより琉球を感じさせる雰囲気でおしゃれに飾られている。
彼は常連なのかなと思うぐらいメニューを知っていて、私たちにおすすめしてくれたり、ここら辺の話とかも教えてくれた。
私の好物であるティラミスパフェも、すごく美味しかった。
そんなことを考えていると、りりがパンフレットを取り出す。
「さーて、次はどうしよっか」
「あ、俺さ、あそこ行きたいんだけどいい?水族館!」
「わあっいいね!行こう!」
2人は揃ってそれぞれのパートナーを見つめた。
水族館でいっか、と思って「私は別にいいよ」と返すと一条日陽も「じゃあここにしようよ、近いし結構有名だし」と同意した。
「「やった!」」
顔を見合わせて笑うりりと赤羽くん。
さっきのカフェでもお互いが注文したやつを交換しながら、おしゃべりでも盛り上がってたっけ。
この2人やっぱりいい感じなんじゃない?
赤羽くんもりりとしゃべる時は心なしかテンション高いし。
もっと話せるように、水族館ではいいムードになったら離れよっかな…と、思っていた私だったけど。