さっきまでの無表情が嘘みたいに、ふわっと。
まるで花が咲く様な、本当にそんな感じの笑顔。
どくり、と胸が高鳴った。
なぜか目線が離せなくて、じっと彼女を見続ける。
「もしもし、りり?もう終わったの?……そう、分かったわ、今から昇降口に行くから。」
初めて聞いた声は優しさを含んでいて、心の底から相手を信頼している心地よさを感じた。
そのまま彼女は電話を切り、教室を出て行く。
俺に気づかないまま、心なしか嬉しそうな足取りで。
その姿を見送ってから、そっと歩き出す。
「おい、スマホ取り行くだけで遅いぞ。何やってたんだ?」
「……ちょっとね」
「はあ?」
おいちょっと待てよ、という赤羽の声をスルーして、歩き出す。
頭の中では、さっきの光景が繰り返し浮かんできていた。
あの子、あんな風に笑うんだ。
時々見かけたことのある、澄ました表情じゃなくて、あんな…可愛い顔で笑えるんだ。
“可愛い”
まるで花が咲く様な、本当にそんな感じの笑顔。
どくり、と胸が高鳴った。
なぜか目線が離せなくて、じっと彼女を見続ける。
「もしもし、りり?もう終わったの?……そう、分かったわ、今から昇降口に行くから。」
初めて聞いた声は優しさを含んでいて、心の底から相手を信頼している心地よさを感じた。
そのまま彼女は電話を切り、教室を出て行く。
俺に気づかないまま、心なしか嬉しそうな足取りで。
その姿を見送ってから、そっと歩き出す。
「おい、スマホ取り行くだけで遅いぞ。何やってたんだ?」
「……ちょっとね」
「はあ?」
おいちょっと待てよ、という赤羽の声をスルーして、歩き出す。
頭の中では、さっきの光景が繰り返し浮かんできていた。
あの子、あんな風に笑うんだ。
時々見かけたことのある、澄ました表情じゃなくて、あんな…可愛い顔で笑えるんだ。
“可愛い”

