「………スマホ忘れた」

ポケットに入れたはずのスマホがない。いや俺…そうだ、教室の机の上に置きっぱなしにしたんだ。

「は?そんなことあるか普通」

「ちょっと先いってて」

「おー」

急いで教室へと戻る。

いや、普通にファンの子がいたりしたらまずいな。
前あったからな…勝手にいじられたの。

「…っ、あった」

誰もいない教室の俺の机にぽつんとあったスマホ。

触られたりいじられたりした形跡がないことに、安堵で胸を撫で下ろす。

赤羽を待たせてるし、いくか。

そう思って教室を出た俺は、ふと、隣のクラスの人影が目に入った入った。

なんとなく気になって、さりげなく覗く。するとそこに居たのは、髪の長い、大人びた少女だった。