爽やか王子様が今日も私を口説いてくる。

「あ、いたいた!」

部屋を出てロビーへ向かった私たち。最初に向かうところへのバスを確認していると、いきなり大きな声聞こえて振りかえる。

そこに居たのは、背の高い二人組の男子。

というか、赤羽くんと一条くんだった。

え?

「ごめんね、こいつが寝坊しちゃって」

にこやかに話す一条くんに赤羽くんが照れたように頭をかく。

「ほんとごめん、昨日夜更かししちゃって」

「ぜ、全然大丈夫だよ!修学旅行だもん、夜起きてたくなるよね〜」

いつも通りつっかえながらもほおを染めて笑うりり。

完全なる、私1人の置いてけぼり状態。

え、どういうこと、ていうか、いや絶対…

「りり?」

びくり、と肩を跳ねてええっとぉーと視線を泳がせるりり。

「ごめんなさい、2人とも。少し待っていてもらってもいい?」

「え、ああ」