爽やか王子様が今日も私を口説いてくる。

「ねー、美月!これとこれ、どっちが合うと思う?」

りりが私に見せてきたのは、パールのついたイヤリングと花のイヤリング。

膝上のスカートとレースのトップスを着たりりに、「花のほうじゃない?」と答えた。

2日目は私服と制服どちらでもでいい、という決まりがあるから私のりりは相談して双子コーデのようにした。

りりは白が多めで、私は黒が多め。
りりは2人で白にしようよーと言ってきたけど、膝上スカートを許したんだから流石に色は黒で納得してもらった。

「きゃー、美月可愛い!その月のイヤリングも似合ってるぅ〜」

「はいはいありがと」

鏡でチェックするけど本当に恥ずかしい。せめてもロングスカートが良かった。

「そろそろ行こう、りり」

「はーい。あ、待ってバッグ!」

バタバタしているりりに慌てないでいいから、と声をかけながら、部屋の中をチェック。

忘れ物はなし、電気とかクーラーも消してある…よし。

「りり、もう行くよ?」

「うん!」

りりが出たのを確認してから、私は部屋のカードキーをとって、扉を閉めた。