りりもやる!って意気揚々と手を上げようとしたら時間になっちゃってへこんでて、思わず苦笑してしまった。





そんなこんなで観光を楽しんだ私たちだったけど、ちょっと早めに旅館に向かった。

今現在いるところから遠いらしくて、バスに乗って向かう。初めての沖縄、ということではしゃぎすぎて少し疲れてしまった私だけど。

「んん…」

……隣のりりが気持ちよさそうに寝てるから、寝れない。肩にかかって寝てるし、なんか途中でかくってなるから安眠できないし…!

「みんな寝ちゃってるね」

またまた隣の一条日陽が、困ったように小声で話しかけて来た。


いやこの人、どんだけ私の隣なの。
今更だけどクラスも飛行機もバスも隣とかなんで。
私、悪運が強いのかな。

「なあに、そんなに僕の顔見つめて。なんかついてる?それとも…」

「いや別に」

何故かニコニコし出したこいつをサラッと流し、んん……と唸ったりりの頭を撫でた。

りりはん、と笑ったかと思うと、すうすうと寝息を立てている。

気持ちよさそうに寝てるな…りりめ。
まあ、いいか。

なんだかお母さんのような気持ちになって来て、少し笑いながら撫で続けた。

「いいな……」

「なんか言った?」

「いや別に」