込み上げるあくびを押し殺し、窓の外に目をやった。


と、2人を眺めていた私はふと、視線感じる。
赤羽君の横。少し体をずらして、わざわざこちらに目線をやってくる、彼。

一条君がなぜか私の顔をじっと見ていた。

え、なに……?

見つめ合うのも何だか気恥ずかしいので、すぐにそらそうとした、が。

「葛西さん」

「なに……わっ」

いきなりぽん、と何かを投げられた。

私の太ももの上に乗ったそれに、いきなり何なんだと思ったけどよくよく見るとそれは、私の好きなチョコレート菓子だった。

顔を上げると、一条は面白そうに笑っていた。