修学旅行はもう目前。
私は自由行動もりりと一緒に行こうと約束している。

沖縄、楽しみだな。

と、いつの間にやら元通りになっていた一条日陽がくるりと振り返ってきた。

「美月ちゃん、自由行動誰といくの?」

「…りりとだけど」

「ふーん、そっか」

何かを含んだような言い方に少し引っかかったけど、思い過ごしだと流した。
それよりも私の頭の中には、修学旅行のことでいっぱい。

「美月〜私ここも行きたくなっちゃった!」

「ん?どこ?」

少し浮かれていた私は、気づかなかった。
彼が、企んでいたことに。