スペアキーは楓をいつも起こすから、渡されているのもあるんだけど、私達はもう半分家族みたいなものだから、楓の家によく遅くまでいたり、もう普通に当たり前のように泊まったりもしてる。
その逆もまたあるから、お互いの家を行き来しやすいように、お互いの家のスペアキーは持ってるんだ。
「お邪魔しますー」

私の声だけが虚しく家に響く。
…やっぱり楓の両親はいないよね。
でも、いないとはいえ、人の家に行くわけだからこれは言っとかなきゃ。
楓の両親は、バリバリ働いている人達で、朝が早いんだ。