ここで食べよう。
そう決めて、座ってパンとジュースを広げる。
「いただきま…「す、好きなの!!千秋くん!」
口を広げてかぶりつこうとしたところで、
そんな声が聞こえてきた。
え…何?
告白?
こんなベタなところで?
声が聞こえた方に近づくと、屋上裏で男女2人が立っていた。
というか千秋くんって聞こえたような…?
ちらっとバレない程度に盗み見ると、予想通り千秋くんと、かわいいと男女どちらにも人気で有名な有栖川さんだった。
「あ、あの、千秋くんは知らないと思うけど私中学が一緒でその時から好きだったの!
も、もし良かったら私と付き合ってくれないかな…?」
緊張した表情ではあるけど、とても可愛らしく上目遣いしてそう想いを打ち明けた有栖川さん。
確かに…これはかわいいと言われるのもわかる気がするなぁ…

長い綺麗な茶髪に、まるい瞳。
かわいくて守ってあげくなる、そんな女の子。
まさに地味な私と正反対…。
…普通の男子なら即オッケーするところだと思うけど、果たして千秋くんはいかに…?