「何回も言ってるけど、ここ私の席なの。
貴方がいつもいるせいですぐ座れなくて、迷惑なわけ。邪魔なの。だからどいてって言ってるんだけど、わかる?」
ちょっとイライラして、挑発するように言ったらすぐに顔を真っ赤にして、声を荒げた彼女。
「このっ、…」
でも流石にこの、人がたくさんいる状況で暴言なんか吐いたら…と想像したのか、
「ふんっ!」
高橋さんは、席から勢いよく立って教室から出ていった。
私を横目でギロっと睨んだのは言うまでもなかった。
「ふぅ。」
ため息をついて、自分の席に着く。
「えー、何アレ。感じ悪…」
「ねー、怖ー」
「っていうか、七瀬さんの席に勝手に座ってて、よくあんな態度でいられるよねー」
千秋くんファンの子達は、高橋さんを非難するような言葉を並べているけど…
よく言うよね。
貴方達、今までは高橋さんのしたことを肯定して、何も言わなかったくせに。