「じゃぁあたしは芸能人と毎日合コン!」
次々と好き勝手なことを言う家族に収まりかけていた怒りは爆発した。
煮えたぎる溶岩のようになって山の頂上から噴き出す。

「結局みんな自分事ばっかりじゃないの! なにが芸能人よ、なにが玉の輿よ! あたしにはハジメがいるんだからね!!」
そうよ、あたしには最愛の彼氏がいるの。
芸能人学校の子たちより少し劣るかもしれないけれど、イケメンなんだから!

プンプン怒りながらそう言うと、お母さんが信じられない事を言ってきた。
「別れればいいじゃないの」
「はぁ!?」
「ハジメ君もカコイイけど、芸能人には負けちゃうわ」

「な、なにを言っているの……」

「そうだ。それで新しく芸の人と付き合えば玉の輿ね」
「ユ、ユズちゃんまで……」

「お父さんはお金さえ持っていれば誰が相手でも賛成だよ」
「お父さん、それ芸能人を選べって言っているようなものだから!!」

あぁ……もう……この家族は……。
陽気に笑う3人にあたしは諦めてため息をはき出したのだった。