教師って、生徒の見た目がどうであろうと平等であるべきじゃないの!?
信じられない……。
驚きすぎて魂が抜けてしまったあたしは、チンピラ先生にズルズルと引きずられるようにして1年A組と書かれている教室までやって来た。

「いいかよく聞けよ、松井」
「はぁ……なんでしょうか」

「この学校は沢山の芸能人を育成している。もちろん、中にはすでにデビューしている者や、まだまだ未熟な者や色々いる」
「はぁ……」
先生の話にあくびをかみ殺す。
芸能人とか興味ないし。

一緒の教室にいたって、別にサインをねだるつもりもないもん。
「そしてこのA組からE組までの組分けだが、A組が今最も売れている生徒たちを集めていて、準にBCと続き、DE組はまだ芽が出ていない生徒たちだ」

「へぇ……」
ってことは、このA組は売れっ子芸能人たちの教育の場所ってことか。
だからどうしたのって感じだけどね。
再びあくびをかみ殺す。

するとチンピラ先生は目をパチクリさせた。
「どうしたんですか先生、まるで地球が一瞬で一回転したみたいな顔をしていますよ?」

「あ、あぁ。とにかく、A組はそういう連中だから、松井も気をつけろよ」
気をつけろ……?

意味がわからなくて首をかしげる。
「はぁ……まぁ、気をつけます」
あたしは曖昧な返事をし、そして先生はよくやくA組のドアを開いたのだった。