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あたしがスカートを切られてもケロッとしていたせいだろうか?
この日から徐々に彼女たちからのイヤガラセが悪化していくことになる。
時に上履きに落書きをされ、時に机の中にカエルを入れられ、時に昼ごはんに持ってきていたパンをゴミ箱に捨てられる。
そんな子供じみたイジメにいちいち反応することも億劫で、あたしはいつも何事もないように1日を過ごしていた。
普通ならそれで飽きてやめるところだけれど、彼女たちの粘着質ぶりは生半可なものじゃなかった。
とうとうあたしは校舎裏へと呼びだされてしまったのだ。
それはどう考えても前回の時とは違う雰囲気で、ただで帰られるとは思えなかった。
さすがに晴に相談しようかと思ったりもしたけれど、伝えたい気持ちをグッと押し殺した。
あたしは小さなハサミを1本スカートに忍ばせた状態で、校舎裏へと向かったのだった。



