「カヤちゃんなら、大歓迎だよ」
圭が嬉しそうに笑ってそう答える。
「ダメだったら、最初から連れてこないだろ」
と、晴。

そっか……。
２人の言葉にあたしの頬は自然と緩んだ。
「ありがとう、２人とも」
遠くの会場で花火が打ち上げられる音が響く。

あたしは夜空へ視線をうつした。
ドーンと大きな音を立てて、色とりどりの花が夜空に咲き乱れる。

その花は一瞬にして散っていき、暗闇に光の線をほんの少しの間残していた。
それはまるで、自分がここで綺麗に咲いていた証だと言っているように見えた。

ひとつひとつの火の花が、この一瞬のためだけに頑張っている。
それは時にけなげに思えて、時にたくましく力強いものだと感じた。
「カヤ……」

晴があたしの名前を呼ぶ。
あたしは花火から視線をそらさずに「なに？」と、聞いた。

「俺が、お前を幸せにしてやるからな」
「……え？」
晴を見ると、ジッと花火を見つめていた。
「俺も、カヤちゃんを幸せにする自信ならあるよ」