だけど、あまり接近しすぎでカヤちゃんに危害が加わるかもしれないから、俺も晴同様に距離を置いていたんだ。
それでも少しでもいいから俺の事を見てほしくて、コンサートでは体をはってカヤちゃんを助けたりした。

それなのに……。
まんまと抜けがけをされてしまった。
俺は親指の爪をギリッと噛む。

こうなれば兄弟なんて関係ない。
カヤちゃんに危険が及ぶなら、全部俺が助ければいい。

「宣戦布告だ……」
誰もいない楽屋の中、俺の引く声がこだました。