カヤちゃんを助け出した車の中、晴は俺が近くにいることなんておかまいなしにカヤちゃんに告白をした。
しかも、『俺の女になれ』だなんてキザったらしい言葉でだ。

信じられる?
晴はあの【ツインズ】だよ?
1人の女に入れ込んだ挙句、危険な目にあわせたくせに、あの俺様な告白。

俺はイライラして楽屋の中を1人グルグルと歩きまわる。
晴は先に仕事に出て、今楽屋には俺1人だ。

カヤちゃんは晴の告白に呆然としたあと、案の定鼻血を拭いて白眼を向いてしまった。
ちゃんと家まで送り届けたから大丈夫だけれど、カヤちゃんの目が覚めた時に晴になんと返事をするのかが気にかかる。
「俺様で好き勝手してるくせに!」

俺はそうグチり、八つ当たりで椅子を蹴った。
俺だって本当は最初からカヤちゃんのことを気になっていた。