そんな事をしていると、顔面鼻血まみれのハジメが「う~ん」と、唸り声をあげて目を開けた。
「ハジメ、お主気がついたのか!?」
「んん……気がついたけど、でも……まだ夢を見ているのかな……」

「何を言っておる貴様! しっかりするでござるよ!!」
あたしはそう言い、ハジメの頬を2度3度と平手打ちした。
「……うん、痛い……。でも、カヤが変な言葉使いをしているのは気のせい?」

意識をハッキリさせるためにフルフルと頭を振って起き上がるハジメ。
「ハジメが生き返ったぁ!」
あたしはハジメの言葉を無視して抱きつく。

「あぁ、死んでないけどね」
「大丈夫? 痛い?」
あたしはツンツンと晴れてきたハジメの顔をつつく。

「うん。つつかれるとすごく痛い」
「これが痛いの? 可愛そう、ハジメ……」

ツンツン、ツンツン。
「だからつつくのやめてほしいんだけどカヤ」
「あ、そっか」

あたしがハジメから手を離したとき、ちょうど車がハジメの家の前で停車した。
「じゃぁ、俺は帰るから」
ヨロヨロと車から下りるはじめ。
「大丈夫? あたしが看病しようか!?」