俺は更にハジメの腕をひねりあげた。
「うあぁっ!!」
メキメキッと骨がきしむ音が聞こえる。

「ほら、白状しないとこの貧相な腕が折れちまうぞ?」
「黒猫と白狗の頭があんたたちかどうか、確認しに来た!!」
ハジメは叫ぶようにそう言った。

やっぱり、そうか……。
俺は少しだけ腕の力を緩めた。
ハジメは痛みに涙を浮かべ、やめてくれと懇願するように左右に首をふった。

「お前、どうして俺たちが頭かもしれないと思ったんだ?」
「……カヤから……聞いたんだ……」
「……カヤだと?」

俺と圭は目を見かわせる。
一瞬、カヤが桜美の関係者かと不安になる。
でも、あいつに限ってそんなことはないハズだ。

桜美にとってもあいつを一味に入れたって、得することはなにもない。
「詳しく聞かせろ」
「わ、わかったから離してくれ!!」

ずっと腕をひねっていたため、ハジメはもう限界みたいだ。
俺は仕方なく腕を離してやった。
それからハジメに理由を聞いてみると、どうやらホテルでの電話の内容が漏れてしまったらしいことがわかった。