圭がそう言うので、俺はまた笑ってしまった。
カヤには失礼だけれど、圭の言う通りだと思った。
「魅力的じゃなくてもいいんだよ、カヤは」
「……どういうこと?」
俺たちは今まで魅力的な女たちと沢山関係を持ってきた。
でも、カヤは違う。
俺たちにコビないし、たいした魅力も持っていない。
カヤのすべてが自然体なんだ。
今まで俺たちに素顔を見せてくれた女なんて、1人もいない。
全員がとりつくろい、わざとらしい笑顔を浮かべてきた。
俺はカヤのコロコロ変わる表情を思い出し、フッと口角を上げた。
「あ、晴がニヤニヤしてる! 気持ち悪~い!」
「うるさいな。行くぞ」
丁度いいタイミングで車が止まり、俺はそそくさとおりたのだった。



