「落着けよ晴。今回だってどうせいつものゲームなんだろ? 何日でカヤちゃんを落とせるか」
その言葉に、俺は奥歯をギリッと噛みしめた。

「カヤちゃんでこのゲームを始めたのは晴だよね? ゲーム中に相手の女を奪うことは有り。いつもそうだったじゃん」
「そう……だけど……」

たしかに圭の言う通りだ。
これはゲーム。
【付き人】とは名ばかりで、本当は相手の気持ちを弄ぶのが目的だ。

だからこんなにムキになる必要なんてない。
なのに、どうして俺はこんなに……。
「だけどムカツクんだよ」
俺はそう言い、圭から乱暴に手を話したのだった。