ちょ、ちょ、ちょっと待って!!
このアングルはヤバイ!
イケメンに見下ろされて見つめられるこのアングルは……!!

必死にジタバタともがいてみるけれど、抵抗むなしく北見君に組み敷かれるあたし。
「や、やめて! 離して!」
「今更何言っているんだよ。やめるなんて無理だから」

そしてついに……。
ブッ!!
我慢していた鼻血が勢いよく噴き出した。
あたしの血で北見君の顔が血まみれになり、イケメンが台無しだ。
「だ、だからやめてって言ったのに!!」
イケメンの前で鼻血ブーしてしまったあたしは半泣き状態で起き上がった。
北見君はあまりのショックでその場で静止してしまっている。

あたしはそんな北見君を放置し、鍵をあけて外へ飛び出した。
は、恥ずかしすぎる!!
だけど今は鼻血を止めることが先決で、あたしは女子トイレへと飛び込んだ。

トイレットペーパーをカラカラと引っ張り出し、鼻に突っ込むと情けない顔が鏡に映しだされる。
でも、これで止血はできる。
あたしはホッとして顔や手にについた血を洗い流すとトイレから出たのだった。