不機嫌そうな晴の表情にあたしの頭の上にはハテナマークが浮かぶ。
言われた通りにしたのに、なんで不機嫌なの?

「まさか、そんな簡単に言う事聞く女だとは思わなかったな」
「はぁ!?」

晴の言葉にカチンッとくる。
なにそれ、意味わかんないんだけど。

あたしがお金がないのを知っていて付き人をしろって言ったの、晴じゃん!!
晴は椅子に座り、拭いたばかりの机にドカッと両足をあげた。
「カヤって案外つまんねー女だな」
はぁぁぁぁ!?

つまるかどうか試したことあるんかい!?
晴の言葉にあたしの脳内の血管がブチブチと切れていく。
「晴……あんたあたしの事バカにしているでしょ!」
「あぁ、しているね」

シレッと答える晴。
なにその人を見下した態度。
ナメまくった態度。

何さまなのよ!!
あたしはグッと奥歯を噛みしめてドタドタと派手な足音を立てて教室を出たのだった。