お隣のヤクザに要注意Ⅱ

違う。

違うけど、最低な終わり方をするんだ俺。

もう、この子が俺を嫌うように。

二度と会わないように。

「けどもう飽きちゃったからさ?そろそろいっしょ」

叶恋の鞄を持って部屋のドアを開けた。

早く……早く、兄貴が帰ってくるかもしれないその前にこの家から出さないと。

叶恋の瞳には涙が浮かんでた。

耐えろ……耐えろ、俺。

「っ……最低」

叶恋はそう言うと俺から鞄を取って部屋を出ていった。

「はぁ……終わっちまった」

その場でズルズルと座り込んでそう呟いた俺。

叶恋とのキスは、もっと大切なものにしたかった。

いつも愛らしい顔で俺の名前を呼んでそばにいてくれた叶恋。