お隣のヤクザに要注意Ⅱ

は……?

兄貴は楽しそうに顔を歪めたまま、用が済んだのか部屋を出ていった。

純粋な叶恋が……汚される?

「……いって」

殴られた頬が痛んだ、でも、それ以上に心が痛くて。

なんで俺は……こんなにも弱いんだよ。

兄貴の言う通り、俺なんていいところなにひとつない。

でも……せめてあいつだけは守りたい。

兄貴に汚されるくらいなら……守れるなら、この方法しかない。

そして次の日、俺は叶恋に無理やりキスをした。

ひどく傷ついた叶恋の表情。

ズキッと胸は痛んだけど知らんぷりした。

「ひどいよ……なんで」

「知ってた?お前に近づいたのも顔がいいから遊んでやろうと思っただけ」